一人暮らしをしてると、いつかは迎える退去のタイミング。賃貸物件を出る時には思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。著者もこれまで4物件の退去の手続きを経験しましたが、半分の2物件でトラブルに直面しました。その経験から、退去時に困らないポイントを入居時から押さえておくことの重要性を実感してます。
一人暮らしの女性が安心してスムーズに退去できるために、入居時からできる対策と退去時に気を付けるポイントをまとめました。私が経験したトラブルも紹介するので、皆さんはぜひ回避してくださいね!
入居時からできる退去トラブル防止策
賃貸契約書は細かい部分まで読む!
特に押さえておきたいのは原状回復についての記載。基本的には次のようなルールがあります。
- 貸主負担
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通常の使用による経年劣化
(壁紙の日焼け、フローリングの軽微な擦り傷など) - 借主負担
-
故意・過失による破損・汚損
(壁の穴、煙草のヤニ汚れ、フローリングの深い傷など)
- クリーニング費用が退去時にかかるか
- 壁や床の傷の修繕費用の扱い
- エアコンクリーニング費用は負担になるのか
賃貸の契約の時に宅建士のが現れて、契約書を事務的な感じで読み上げていきます。大切な部分は付箋を貼ってメモをするなど、後から見直せるようにしておくと良いでしょう。
国土交通省が「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」という原状回復のルールをまとめています。必要な人は公式サイトをご覧になってください。
▼国土交通省公式サイトより
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について
入居時の室内の状態を記録しておく
入居時にすでにある傷や汚れを放置すると、退去時に「あなたがつけた傷」になる可能性があります。トラブル回避のために、スマホで写真や動画を撮影しておくのがおすすめです。
- 壁紙の剥がれや傷
- フローリングの傷やシミ
- 水回り(キッチン・浴槽・トイレ)の状態
- ドアや扉の傷や立て付け
撮影したデータは日付がわかる形で保存しておきます。不動産会社や管理会社に共有しておくと、より安心ですね。

家具・家電の設置時に壁や床を守る
退去時の修繕費用を防ぐには、入居中の過ごし方も大切です。特に家具や家電の設置時に壁や床を傷つけないように工夫しましょう。
- 冷蔵庫の下にマットを敷く
- 椅子やテーブルの脚にフェルトシールを貼る
- 壁に直接物を貼らず、剥がせるフックを使用する
ちょっとした工夫で、退去時の余計な費用を払わなくてすむのでお試しください。
退去時にトラブルを防ぐポイント
退去の通知は契約書のルールに従う
賃貸契約書には「解約通知の期限」が記載されています。例えば「退去の1ヵ月前までに通知する」と決まっているのに、直前になって伝えると翌月分の家賃を請求されることもあります。
- 解約通知の期限(1ヵ月前、2ヵ月前など)
- 解約通知の方法(書面、電話、メールなど)
契約書に記載された方法で余裕をもって通知し、トラブルを防ぎましょう。
退去前にしっかり掃除する
退去時にかかるクリーニング費用は、基本的にハウスクリーニング代として請求されますが、自分でしっかり掃除しておくと、追加費用を防げる場合があります。
- キッチン(油汚れを落とす)
- 浴室(サッシや水垢を取る)
- 窓、サッシ(埃を拭き取る)
- 壁(手垢や軽い汚れを落とす)
特に水回りは修繕費用が発生しやすいので、退去前に念入りに掃除するのがおすすめです。
退去立会時は修繕費の理由をしっかり確認
退去時には管理会社や大家さんと退去立会いをするのが一般的です。ここで修繕費が発生する場合は、その理由をしっかり確認しましょう。
- 負担するのは「通常使用の劣化」か「過失による損傷か」
- 修繕費用の見積もりはもらえるか
- 敷金がどのように清算されるか
もし不当に高額な請求をされた場合は、「納得できない」ことをしっかり主張しましょう。その場でサインをする必要はありません。管理会社の説明が曖昧な場合は見積もりを要求して、必要に応じて消費者センターや宅建協会に相談することもできます。
私の経験した退去トラブルとは?
冒頭に書いた通り、私は4物件の退去手続きを経て、現在は自己所有のマンションに住んでいます。今でも思い出すと悔しくて仕方ないですが、読んでくださる皆様に同じ思いをしてほしくないので、注意喚起になりますよう共有します。
ハウスクリーニング代は言い値?
3物件目の退去立ち合いでのことです。この物件については懸念点がいくつかありました。
・入居した時から不潔な箇所が多く、引越し当日から不具合も続出
・管理会社の対応が非常に雑(Googleのクチコミは★1つ台)
・賃貸契約書にハウスクリーニングの料金の記載なし
・洗面ボウルに私の不注意でできた傷がある
当日はこちらの物件の賃貸契約書と、念のために新しい物件の賃貸契約書(ハウスクリーニング料金の記載あり)も持参しました。
立会人は管理会社から委託された会社の男性一人だけでした。室内を隅々確認した後、渡された請求書がこちら。

これを見た時、不審に思ったのは2点。
- ハウスクリーニングの料金が高すぎる
- 洗面ボウルの補修はそこまで大掛かりなことをするのか?
2025年の今なら物価も上がっているので、1LDKのハウスクリーニングはこれくらいの費用かもしれませんが、この時の退去は全くその気配もない頃です。
そこで参考にしたのが、次の物件の賃貸契約書。同じ1LDKです。この契約書にはクリーニング費用25,000円としっかり記載されてました。この金額を目安にしてたのに、まさかの2倍以上!
私「54,000円は納得できない」
男性「交渉するので、ご希望の金額を教えください」
クリーニング費用が交渉制なんて初めてでした。ごね得したようでモヤモヤが残ります。とりあえず新しい契約書を見せて、25,000円を希望しました。そして後日届いたのがこちら。

洗面所の補修は5cm程のひびですが、詳しい人に聞いてみると「妥当な金額」と言われたので諦めました。希望通りの金額ではないけど、これ以上長引かせるのも面倒だったので、サインをして返信しました。
- 退去立会いの前に賃貸契約書を熟読する
- 最初に差し出された請求書をあっさりと受け入れてはいけない
隙あらば丸め込もうとする管理会社
最後、4物件目の退去立会の話です。新築でしたが本当に暮らしにくい物件で、入居してすぐに嫌気がさしてマンション購入へ舵を切ったという経緯があります。結局11ヵ月で退去。この物件の懸念事項はこちら。
・全国的に評判が悪い管理会社
・新築なのに施工不良が多かった(冒頭のトイレの写真もこの物件)
・脱衣所に私が不注意でつけた汚れあり
もう二度と戻ってきたくなかったので、マンションへの引越し日に退去立会いを希望したのですが、水曜日で定休日ということで次の土曜日に。管理会社都合になるため、退去日は水曜日になりました。
退去立会いに来たのは管理会社の男性と職人っぽい男性の2名。最初に私が付けてしまった汚れを見てもらって、その後は二人で隅々見て触って。職人は終始態度が悪く、私の残存物を見つけると何も言わずに投げてくる!マジでチンピラかと思った。そして出されたのがこちら。

脱衣所(洗面所)の張替が5㎡に唖然。汚れって、これですよ。

洗濯パンの横の隙間に100均で購入した発泡スチロールのブロックを2つ並べた跡が付いただけだけの大きさです。これだけなのに5㎡も張り替える理由を聞くと、クッションフロアは部分張替ができないから、全面張替になるとのこと。11ヵ月しか住んでなく、これだけの汚れで16,000円が飛んでいきました。
次は室内クリーニング28,000円とエアコンクリーニング10,000円について。これは到底納得いきません。
賃貸契約書にはクリーニング代は25,000円と記載されてます。エアコンクリーニングの記載はありません。エアコンクリーニングについては「そうでしたっけ?」とトボけたふりして「0円」になりました。クリーニング代についてはお決まりの「最近は物価の上昇が・・・」と始まりました。
私「契約から1年も経ってないのに、1割も上げるんですか? 具体的にはいつ変更になったんですか? その通知は私にくれましたか? 当日になって「値上げしてました」は通用しないでしょ!」
さすがにキレまして、契約書に記載した金額しか支払わないと強く主張しました。管理会社の男性は職人に「こうやっておっしゃるんですけど・・・、いいですか?」とお伺いを立てると職人は黙って頷いたので、記載通りの価格に戻りました。
この管理会社はまだ落ちが合って、退去日を土曜日にされたんです。退去立会い日が退去日だと言って。事前に水曜日が退去日で話が付いてることを主張すると、「あ~そうなんですか」とまたすぐに変更。3日分家賃を払わされるとこでした。
- 大きな管理会社はマニュアルを盾に主張してくるので注意
- 対女性だと強気に出てくる立会人にも、強気で対抗する!
以上が私が経験した退去立会いのトラブルです。何も言わずそのままの金額でサインする人もいると思いますが、引越しはそれなりにお金がかかるので、1円でも多く払いたくないですよね。
これから引っ越しをする方や、今住んでいる物件の退去を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。女性の一人暮らしでも、安心してスムーズに退去できるように、事前の準備をしっかりしておきましょう!